本書は、「なぜ貧困はなくならないのか」という開発経済学における一大テーマを、著者の世銀時代の経験をフルに生かしてわかりやすくひも解く。第1部、第2部では、エコノミストが過去50年間、いかに途上国経済の運営に失敗してきたかをみていく。第3部では、著者の新しい処方箋が語られる。すなわち、「貧しい人々には貧しさから抜け出すインセンティブがないことが多く、政府は貧困の罠から抜け出すインセンティブを提供してあげなくてはならない」のである。「…そして、多くの貧しい国が豊かになりますように」。本書を締めくくるこの著者の言葉と同じ思いを持つ読者に手にとっていただきたい一冊。
【目次】
第1部 なぜ成長が重要なのか(貧しい人々を助ける)/第2部 うまくいかなかった処方箋(投資に対する援助/ソローが与えた衝撃-投資は成長の主因にはならない/教育は成果をもたらしたか/コンドームへの資金援助は必要か/借金はしたが成長はしなかった/債務救済の功罪)/第3部 人はインセンティブに反応する(規模に関する収穫逓増の物語-知識の波及、技能のマッチング、貧困の罠/創造的破壊-技術の力/不幸な星のもとに/政府は成長を殺すことがある/汚職と成長/分断された人々/結論-ラホールから)