佐賀藩二代藩主鍋島光茂に仕えた山本常朝は、光茂没後、出家し、隠棲してしまう。そうした常朝を隠棲先に訪ね、談話を聞き取り編集したのは、藩主の祐筆を務めた田代陣基である。宝永7年(1710年)より六年半にわたって収録された談話は、武士は戦闘者であるという戦国の遺風の落とし子と自己規定し、同時にしたたかな奉公人であらねばならないとする武士道論を説く。また、さまざまな教訓、古人の遺訓、佐賀藩の歴史、人物評など多岐にわたり、近世の地方武士のもつ多様な文化性を示す。泰平の時代を生きた武士の処世と知恵の宝庫である。
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葉隠
佐賀藩二代藩主鍋島光茂に仕えた山本常朝は、光茂没後、出家し、隠棲してしまう。そうした常朝を隠棲先に訪ね、談話を聞き取り編集したのは、藩主の祐筆を務めた田代陣基である。宝永7年(1710年)より六年半にわたって収録された談話は、武士は戦闘者であるという戦国の遺風の落とし子と自己規定し、同時にしたたかな奉公人であらねばならないとする武士道論を説く。また、さまざまな教訓、古人の遺訓、佐賀藩の歴史、人物評など多岐にわたり、近世の地方武士のもつ多様な文化性を示す。泰平の時代を生きた武士の処世と知恵の宝庫である。
現代語訳 文明論之概略
維新の動乱冷めやらぬ明治社会に向け、福澤諭吉が渾身の力で書き下ろした大著『文明論之概略』(明治八年)。文章に込められた熱気に、現代の読者が触れられるよう、碩学が正確に現代語訳した書籍(『口訳評注 文明論之概略』慶應通信、昭和四十七年)を再編集して復刊。刊行後の研究状況を踏まえた補注と解題を付す。転換期に何度でも読み返されるべき、「半開国=日本」への診断と処方箋。
【目次】
第1章 議論の本位を定むる事/第2章 西洋の文明を目的とする事/第3章 文明の本旨を論ず/第4章 一国人民の智徳を論ず/第5章 前論の続き/第6章 智徳の弁/第7章 智徳の行わるべき時代と場所とを論ず/第8章 西洋文明の由来/第9章 日本文明の由来/第10章 自国の独立を論ず
日本的霊性 完全版
昭和19年、鈴木大拙は軍部が宣揚する日本精神に対抗して日本的霊性を唱え、本書を著した。大拙は精神の根底には霊性(宗教意識)があると主張。鎌倉時代の浄土系宗教と禅宗を重視した。念仏や禅の本質を生活と結びつけ、わかりやすい言葉で読み解き、日本人が持つべき心の支柱を熱く語る代表作。大拙は戦後、長文の序を付け再刊し、霊性の主張を本格始動した。本書はこの2版を底本とした〔完全版〕。
【目次】
第1篇 鎌倉時代と日本的霊性(情性的生活/日本的霊性の自覚)/第2篇 日本的霊性の顕現(日本的霊性の胎動と仏教/霊性/日本的霊性の主体性)/第3篇 法然上人と念仏称名(平家の没落/浄土系思想の様相/念仏と「文盲」/念仏唱名)/第4篇 妙好人(赤尾の道宗/浅原才市)/第5篇 金剛経の禅(般若即非の論理/「応無所住而生其心」/三世心不可得/禅概観)
風土―人間学的考察
文明の生態史観
日本の思想
現代日本の思想が当面する問題は何か。その日本的特質はどこにあり、何に由来するものなのか。日本人の内面生活における思想の入りこみかた、それらの相互関係を構造的な視角から追究していくことによって、新しい時代の思想を創造するために、いかなる方法意識が必要であるかを問う。日本の思想のありかたを浮き彫りにした文明論的考察。
【目次】
1 日本の思想(日本思想史の包括的な研究がなぜ貧弱なのか/日本における思想的座標軸の欠如 ほか)/2 近代日本の思想と文学-一つのケース・スタディとして(政治-科学-文学/明治末年における文学と政治という問題の立てかた ほか)/3 思想のあり方について(人間はイメージを頼りにして物事を判断する/イメージが作り出す新しい現実 ほか)/4 「である」ことと「する」こと(「権利の上にねむる者」/近代社会における制度の考え方 ほか)
タテ社会の人間関係
日本社会の人間関係は、個人主義・契約精神の根づいた欧米とは、大きな相違をみせている。「場」を強調し「ウチ」「ソト」を強く意識する日本的社会構造にはどのような条件が考えられるか。「単一社会の理論」によりその本質をとらえロングセラーを続ける。
〈ウチの者以外は人間にあらずの感〉「ウチ」「ヨソ」の意識じ強く、この感覚が尖鋭化してくると、まるで「ウチ」の者以外は人間ではなくなってしまうと思われるほどの極端な人間関係のコントラストが、同じ社会にみられるようになる。知らない人だったら、つきとばして席を獲得したその同じ人が、親しい知人――特に職場で自分より上の人――に対しては、自分がどんなに疲れていても席を譲るといった滑稽なすがたがみられるのである。――本書より
「甘え」の構造
「甘え」は日本人の日常生活にしばしば見られる感情だが、著者は外国にはそれに対応する適切な語彙がないことに気づいた。そんな自身のカルチャーショックから洞察を重ね、フロイトの精神分析、ベネディクトの『菊と刀』、サピア・ウォーフの文化言語論などを比較検討し、「甘え」理論を構築、人間心理の本質を丹念に追究した。
「甘え」は「つきはなされてしまうことを否定し、接近欲求を含み、分離する感情を別のよりよい方法で解決しようとすること」と定義される。
本書では、「甘えの世界」として日本人の精神生活に根ざした「義理人情」などを取り挙げ、その観念体系を説明、「甘えの論理」で言語と心理の不可分の関係を論じた。また「甘えの病理」では「甘え」の延長線上にある「くやしい」という感情を解説し、その病理を「甘えと現代社会」という社会現象論にまで発展させていく。
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