昭和19年、鈴木大拙は軍部が宣揚する日本精神に対抗して日本的霊性を唱え、本書を著した。大拙は精神の根底には霊性(宗教意識)があると主張。鎌倉時代の浄土系宗教と禅宗を重視した。念仏や禅の本質を生活と結びつけ、わかりやすい言葉で読み解き、日本人が持つべき心の支柱を熱く語る代表作。大拙は戦後、長文の序を付け再刊し、霊性の主張を本格始動した。本書はこの2版を底本とした〔完全版〕。
【目次】
第1篇 鎌倉時代と日本的霊性(情性的生活/日本的霊性の自覚)/第2篇 日本的霊性の顕現(日本的霊性の胎動と仏教/霊性/日本的霊性の主体性)/第3篇 法然上人と念仏称名(平家の没落/浄土系思想の様相/念仏と「文盲」/念仏唱名)/第4篇 妙好人(赤尾の道宗/浅原才市)/第5篇 金剛経の禅(般若即非の論理/「応無所住而生其心」/三世心不可得/禅概観)