本書は、大阪天王寺師範学校(現・大阪教育大学)本科での森信三先生の講義をまとめた『修身教授録』(全5巻、昭和14年刊)の中から、昭和12年3月~昭和14年3月までの2年間の講義を改めて編集したものです。
【目次】
第1部 修身教授録〈1〉(学年始めの挨拶/人間と生まれて/生をこの国土にうけて/生を教育に求めて/教育者の道/人生の始終/志学/学問・修養の目標/読書/尚友/人と禽獣と異なるゆえん/捨欲即大欲/使命の道/真実の生活/諸君らの将来 ほか)/第2部 修身教授録〈2〉(挨拶/立志/人生二度なし/生命の愛惜/一つの目標/意地と凝り性/大志を抱け/気品/情熱/30年/長所と短所/偉人のいろいろ/伝記を読む時期/人生の深さ/一時一事 ほか)
『修身教授録』掲載の名言の一部。
人を教える道は、一転して、自ら学ぶ果てしのない一道となる。
情熱というものは、まず物に感じるという形をとって現れるもののようです。したがって感激とか感動とかいうものは、その人の魂が死んでいない何よりの証拠です。ですからわれわれ人間は、感激や感動のできる間は、まだその人は進歩する可能性を持っていると言ってもよいでしょう。
真の誠とは、その時その時の自己の「精一杯」を尽くしながら、しかも常にその足らざることを嘆くものでなくてはならぬ。
「わが身に振りかかってくる一切の出来事は、自分にとって絶対必然であると共に、また実に絶対最善である」
力というものは、一たんその気になり、決心と覚悟さえ立ったら、後からあとからと無限に湧いてくるものです。それはちょうど、井戸に水の湧くようなもので、もう汲み出してしまったと思っても、いつの間にやら溜っているようなものです。
読書はわれわれ人間にとっては心の養分ですから、一日読書を廃したら、それだけ真の自己はへたばるものと思わねばなりません。
人間の言葉が真に力を持つのは、必ずしもその言葉自身が立派だからというのではなくて、その言葉を支えている背後の生活によるものであります。